新型コロナ騒動で本格的にリモートワークに移行したことに伴い、自宅の一室をリモートワーク用の仕事部屋として使うことにしました。
そこで問題になったのが通信環境です。
無線ルーターを設置しているリビングと仕事部屋との間は10mも離れていないのですが通信環境がとても悪いのです。
特にZoom利用時には頻繁に「インターネット接続が不安定です」というメッセージが表示され、音は途切れ途切れ、最悪の場合は画面が固まってしまうような状態でした。
色々と試行錯誤した結果、現在この問題は大幅に改善され快適なリモートワーク環境を手に入れることが出来ました。
似たような境遇の方の参考になればと思い、私が行った対策をシェアしたいと思います。
自宅の通信設備
前提となる自宅の通信設備は下記のとおりです。
契約回線 | NTT東日本フレッツ 光ネクストマンション・ギガラインタイプ(最大1Gbps) |
通信機器 | リビングに無線ルーターを設置し、スマホやPCは無線で接続 |
改善前のインターネット通信速度
改善前のインターネット通信速度を「有線(LANケーブル)接続」「無線(11ac/5GHz)接続」「無線(11n/2.4GHz)接続」の3パーンで、リビング・仕事部屋それぞれで測定した結果が下表です。
リビング | 仕事部屋 | |
有線(LANケーブル) | 710Mbps | 710Mbps |
無線(11ac/5GHz) | 320Mbps | 20Mbps |
無線(11n/2.4GHz) | 170Mbps | 45Mbps |
仕事部屋の無線接続がめちゃくちゃ遅くなってます。
普段私はリビングでPCを使うため、一番高速な無線(11ac/5GHz)接続を利用していたのですが、仕事部屋では最も遅くなってしまいました。
5GHzの電波は2.4GHzに比べて壁やドアなどの障害物に弱いという特徴がありますので、まぁ妥当な結果だと思います。
しかも凄く不安定で、たまに1Mbpsを下回ったり応答がなくなることもあります(これは無線(11n/2.4GHz)接続でも同様)。
これでは常に大量の通信データを流し続けるWeb会議には耐えられません。
有線(LANケーブル)接続なら家のどこでも安定して高速通信が可能なんですが、家中にLANケーブルを這わせたくないのでここは何とかして無線の通信環境を改善したいものです。
原因調査
インターネット通信速度の測定結果から無線の電波が家の中で弱くなっている可能性が高いことが分かります。
念のため無線の電波強度を測定するスマホアプリで測定したところ、思った通りリビングから離れるにつれて電波が明らかに弱くなっていることが分かりました(無線の電波の測定方法はこちら)。
このことから電波強度を改善する方向で対策をしていきます。
改善策その1(無線ルータの設置場所変更)
まず無線ルーターの設置場所を移動することを考えました。
無線ルーターはリビングの端っこに設置しており、仕事部屋に繋がる廊下との間にはたくさんの電化製品のあるキッチンがあります。
電化製品は電波に干渉するので、無線ルーターを廊下側に移動したらどうかと考えたんですね。
ただ、光ファイバーの引き込み口が現在の無線ルーター設置場所の付近にあり、これを大きく動かすことはちょっと難しそうです。
長いケーブルを引き回せば可能ですがそれでは本末転倒です。このためこの方法は早々に断念しました。
改善策その2(無線LAN中継機の設置)
次に考えたのが「無線LAN中継機」の設置です。
無線LAN中継機とは弱くなった電波をキャッチして強い電波に変えてくれる機械のことで、理屈的にはこれで問題は改善するはずです。
早速、無線LAN中継機を購入して設置しました。ちなみに私が購入したのはこれです。無線ルーターと通信規格があえばどのメーカーのものでもいいのですが、よく分からないという方は家電屋の店員に相談すると良いと思います。
設定は拍子抜けするほど簡単でした。最近の無線LAN機器はボタン一発で自動的に設定が完了するのでとても楽ちんです。
ドキドキしながら通信速度を測定すると下記のような結果となりました。
仕事部屋(改善前) | 仕事部屋(中継機設置後) | |
無線(11ac/5GHz) | 20Mbps | 120Mbps |
無線(11n/2.4GHz) | 45Mbps | 61Mbps |
めちゃくちゃ改善しました。
これで一安心!!!
・・・と思ったのですが、この環境でしばらく運用していたら新たな問題が浮上してきました。
新たな問題とは
なかなか一筋縄でいかないもので、無線LAN中継機の設置後、下記の事象が発生するようになりました。
- リビングからPCを持って移動した場合は改善前のように速度が出ない場合がある(PC再起動で治る)
- Zoom利用時に突然音声が途切れ、少し経つとまた戻る
この問題は無線(11ac/5GHx)と無線(11n/2.4GHz) の両方で発生します。
何が問題だろうと考え、1つの推測を立てました。
本来、仕事部屋では無線LAN中継器の電波を掴んで欲しいのにリビングの無線ルーターの電波を掴んでしまっている(掴もうとする)んじゃないかということです。
そう考えた理由は無線LANに接続するためのID「SSID」にあります。
私が購入した無線LAN中継機は、ボタン一発の自動設定機能を使うと無線ルーターと同じSSIDが自動で設定されるようになっています。
この機能のお陰で、家中どこでもPCの設定を変更せずに無線LANに接続できるメリットがあるのですが、その一方でSSIDが同じなので弱い方の電波を掴んでしまう場合があるんじゃないかと疑ったわけです。
そこで次のような対策を行いました。
改善策その3(無線LAN中継機のSSIDを変更する)
無線LAN中継器の設定画面を表示し、SSIDを無線ルーターとは異なる文字列に手動で変更しました。
この状態で暫く運用してみたところ通信の安定性が劇的に改善され、Zoom利用時に問題が生じることはなくなりました。どうやら推測が当たったようです。
この対策のデメリットは、どの電波に接続するかを自分で選択する必要があることですが、この操作が必要なのは部屋を移動したときなどに限定されるので特に面倒ではありません。
それより通信が安定することのメリットの方が遥かに高いので、しばらくはこの設定で使い続けようと思ってます。
まとめ
はっきり言って有線LAN接続が最強です。
無線LANは見えない電波を相手にするので原因調査や対策がすごく大変。
なので、急ぎで対応する必要があるなら有線LAN接続を(暫定でも良いので)第一の選択肢として考えるのが良いと思います。
その上で、ゆっくりと無線LAN環境の改善に取り組んでみてはいかがでしょうか。