オンラインで料理教室やピアノ教室を行う際、生徒と視線を合わせて指導するだけでなく、時には手元を生徒に見せたいなど様々な視点のカメラ映像を臨機応変に使い分けたい時があると思います。
ビデオスイッチャーなどの専門機材を使えばプロ並みの映像表現を実現できますが、高額な初期費用がかかったり、操作の習得に多大な労力を要したりと結構ハードルが高いものです。
そこで本記事では、Zoomの機能を活かしてもっとお手軽に複数カメラを使う3つの方法をご紹介したいと思います。
複数の端末から会議室に参加する方法
最もお手軽な複数カメラの使い方です。パソコンやスマホなどの端末を2台以上用意し、そのうち1台をホストとしてZoomの会議室を立ち上げ、他の端末はゲストとして会議室に参加したら準備は完了です。あとはZoomの「スポットライトビデオ」機能で参加者のメインビューに表示したいカメラを選択するだけで映像の切り替えを実現できます。

(実現手順)
- パソコンやスマホなどZoomを使える端末を2台以上用意する。
- 1台をホストとしてZoomの会議室を立ち上げる。
- その他の端末はゲストとして会議室に参加する。(Zoomへのログインも不要)
- 参加者に「スピーカービュー」で表示するよう案内する。
- ホストは「スポットライトビデオ」機能を使って参加者のメインビューに表示したい映像を切り替える 。
(メリット)
- とにかく簡単。他に特別な機材がいらない。
- 何台でもカメラを接続できるので様々な視点のカメラ映像を実現できる。
(デメリット)
- 料理教室などレッスン中にパソコンを手で触りにくい場合は映像の切り替え操作が難しい(※助手に操作してもらうなど対策が必要)。
- 複数端末で同時にZoom会議室に参加するため速い通信回線が求められる。
端末に接続した2台のカメラ映像を同時表示する方法
パソコンに2台のカメラを接続し、それぞれのカメラ映像を同時に表示する方法です。

(実現手順)
- パソコンにカメラを2台接続する。
(実現方法)
・カメラのないパソコンに外付けのWebカメラを2台接続する
・カメラ内蔵のパソコンに外付けWebカメラ1台を接続する
・カメラ内蔵のパソコンにスマホのカメラを接続する(別途アプリが必要) - Zoom会議室を立ち上げる。
- Zoomのビデオメニューからメインのカメラを選択する。
- Zoomの「画面を共有」ボタンから「詳細」→「第2カメラのコンテンツ」を選択する。
- 参加者に「左右表示モード」で表示するよう案内する

(メリット)
- カメラの切り替え操作が不要
(デメリット)
- 2台目のWebカメラを購入する(3000円程度~)か、スマホカメラをパソコンに接続できるアプリを購入(iVCamなら1000円程度)する必要がある
- 複数カメラの映像を同時処理するためパソコンに高い性能が求められる
端末に接続した複数台のカメラ映像を「手を使わず自在に切り替える」方法
1台の端末に複数台のカメラを接続し、それぞれのカメラ映像を「足」で自在に切り替える方法です。手を使わないので特に料理教室などで効果的です。

Zoomには元々「Alt+N」キーを押すことで端末に接続された複数台のカメラを切り替える機能があります。「フットスイッチ」は足でスイッチを踏んだ時に予め設定されたキーが押されたのと同じ信号を端末に送ることが出来る機器で、これを利用して足でカメラを切り替えようというのがこの方法となります。
(実現手順)
- パソコンにフットスイッチを接続し「Alt+N」キーを割り当てる。
- パソコンに複数台のカメラ(外付けWebカメラやスマホカメラ)を接続する。
- Zoom会議室を立ち上げる。
- 参加者に「スピーカービュー」で表示するよう案内する。
- カメラを切り替えたいときにフットスイッチを押す。
(メリット)
- 手を使わず足でカメラの切り替えを(しかも瞬時に)操作できる。
- 何台でもカメラを接続できるので様々な視点のカメラ映像を実現できる。
(デメリット)
- 2台目のWebカメラを購入する(3000円程度~)か、スマホカメラをパソコンに接続できるアプリを購入する(iVCamなら1000円程度)必要がある
- フットスイッチを購入する必要がある(3000円程度~)
※筆者が使用している製品はこちらです
以上、Zoom機能を活かした複数カメラの活用方法でした。設定手順はかなり簡略化して記載しましたので分からない点がありましたらお問合せページから気軽に質問してください。