株式会社ノンピは、社員食堂のアイドルタイムを活用して調理した食事を周辺企業にケータリングするビジネスを展開しています。社食の課題と周辺企業の課題を同時に解決するノンピのビジネスモデルを分析しました。

ケータリング事業

エンドユーザーから見るとシンプルなケータリングサービスに見えますが、社食の充実した厨房設備をコスト0円で利用できる分、料理人や食材などにリソースを振り向けることが出来ます。このアドバンテージを活かして他にはない独自メニューを開発し、美味しい社食の提供を通して社員のコミュニケーションを活性化する価値提案を生み出しています。

社食運営受託事業

福利厚生の一環として社員に格安で食事を提供する社食は、それ単体では赤字運営となることが少なくありません。しかしそのままでは誰も社食の運営を受託してくれませんので企業は赤字分を「補填」するわけです。そうするとコストに強い制約がかかり、努力の結果「安くてそれほど美味しくない社食」が生まれます。

ノンピは社食の空きリソースを活用したケータリング事業によって社食の5~10倍もの売り上げを出せるため、運営補填金を0円としました。それによってコスト制約は弱まり「行列のできる美味しい社食」の価値創出につながり、結果として社食自体の売上もアップするという収益モデルを実現しています。

独自性と模倣困難性について

「社食の空きリソースを活用してケータリング事業を行う」というだけのビジネスモデルならば容易に真似されて独自性は無くなると思います。

しかしノンピのビジネスモデルの本質は、社食の提供を通して良質な社員間コミュニケーションを促進し、新しいアイデアを生み出すという組織変革・イノベーション創出支援事業なんだと思います。これを単なる売り文句ではなく実績の伴う価値として創出できた時、真に他社が真似できないビジネスモデルになるのではないかと思います。